Pythonでデータ分析などを行う際にconda
をパッケージ管理システムとして使用している人はそこそこいると思います。
一方でconda
の弱点として、インストールが手間であることやパッケージの依存関係の解決が弱いことなどがあります。
mamba
プロジェクトはconda
の置き換えを目指しているプロジェクトで、売りはより速い依存関係の解決とパッケージの並列ダウンロード、そしてC++でより効率的に実装されていることです。
mamba
のバリエーションがmicromamba
でpure C++で書かれており、シングルバイナリとして配布されています。
シングルバイナリであるためインストールが簡単で、インストール時に問題も起こりずらいです。
micromamba
のコマンド体系はconda
を踏襲しているため、conda
を使ったことがある人は実行コマンドをmicromamba
に置き換えるだけで違和感なく使い始めることができるはずです。
これまでconda
を使ったことがなかった人も、micromamba
のほうが導入が簡単なので今から始めるならこちらがおすすめです。
インストール手順はここで説明されています。
Macを使用している場合はbrew
で入れましょう。
$ brew install micromamba
Linuxを使っている場合はインストールスクリプトを実行します。
以下の例はUbuntu20.04にmicromabma
を導入しています。
いくつかオプションの設定をどうするか聞かれますが、基本的にデフォルトの設定で問題ないです。
$ "${SHELL}" <(curl -L micro.mamba.pm/install.sh)
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current
Dload Upload Total Spent Left Speed
0 0 0 0 0 0 0 0 --:--:-- 0:00:01 --:--:-- 0
100 3070 100 3070 0 0 1525 0 0:00:02 0:00:02 --:--:-- 1525
Micromamba binary folder? [~/.local/bin]
Init shell (bash)? [Y/n]
Configure conda-forge? [Y/n]
Prefix location? [~/micromamba]
Modifying RC file "/home/ai/.bashrc"
Generating config for root prefix "/home/ai/micromamba"
Setting mamba executable to: "/home/ai/.local/bin/micromamba"
Adding (or replacing) the following in your "/home/ai/.bashrc" file
# >>> mamba initialize >>>
# !! Contents within this block are managed by 'mamba init' !!
export MAMBA_EXE='/home/ai/.local/bin/micromamba';
export MAMBA_ROOT_PREFIX='/home/ai/micromamba';
__mamba_setup="$("$MAMBA_EXE" shell hook --shell bash --root-prefix "$MAMBA_ROOT_PREFIX" 2> /dev/null)"
if [ $? -eq 0 ]; then
eval "$__mamba_setup"
else
alias micromamba="$MAMBA_EXE" # Fallback on help from mamba activate
fi
unset __mamba_setup
# <<< mamba initialize <<<
Please restart your shell to activate micromamba or run the following:\n
source ~/.bashrc (or ~/.zshrc, ~/.xonshrc, ~/.config/fish/config.fish, ...)
インストールが完了したのち、新しいTerminalを開くとmicromamba
が使えるようになっています。
$ micromamba --version
1.5.8
まずは仮想環境を作ります。
$ micromamba create -n myenv
今回はmyenv
という名前の仮想環境を作りましたが、好きな名前を使ってください。
$ micromamba env list
Name Active Path
─────────────────────────────────────────────────
base /home/ai/micromamba
myenv /home/ai/micromamba/envs/myenv
すると、micromamba
の仮想環境にmyenv
が追加されていることが分かります。
仮想環境を使うには micromamba activate
を実行します。
ai@DESKTOP:~$ micromamba activate myenv
(myenv) ai@DESKTOP:~$
するとプロンプトが変わり仮想環境に入ります。
パッケージのインストールは
$ micromamba install numpy
のように行います。
例ではnumpy
を入れたのでPythonのインタプリンターを起動するとnumpy
をimportできるようになっていることが確認できます。
$ python
Python 3.12.3 | packaged by conda-forge | (main, Apr 15 2024, 18:38:13) [GCC 12.3.0] on linux
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> import numpy as np
>>>
仮想環境を抜けたいときは
$ micromamba deactivate
を実行してください。
ほかの使い方についてはオフィシャルのドキュメントを参照してください。